墓地や仏壇を購入して置けば、相続税がその分軽くなると思っていました。夫の死後に急いで購入しました。
1.ポイント
生前にお墓や仏壇の購入・支払いをしていれば祭祀財産は非課税となりますが、夫が亡くなった後に支払いをしても債務として控除することはできません。
2.解説
被相続人に属していた相続財産は、相続が開始すると相続人に包括的に承継されることになりますが、祭祀財産は特殊な取り扱いとなっています。
【墓地・墓石、仏壇・仏具などの祭祀財産の取り扱い】
相続前に購入・支払 | 相続前に購入相続後に支払い | 相続後に購入・支払い | |
祭祀財産 | 非課税 | 非課税 | |
支払債務 | 相続財産現象 | 相続財産からの控除不可 | 相続財産からの控除不可 |
相続税法上は、墓所、霊廟及び祭具並びにこれらに準ずるものは非課税とされており、概要は以下のとおりです。
非課税となるものの例 | 非課税とならないものの例 |
墓所、霊廟関係 墓地、墓石、おたまや 墓所、霊廟に準ずるもの 庭内神し、神棚、神体、神具、仏壇、位牌、仏像 | 商品、骨とう品又は投資目的で所有するもの (例)金の仏像など |
原則として、被相続人が残した借入金や未払金などの債務は、相続財産から控除できますが、相続税の非課税財産の取得、維持または管理のために生じた債務の金額は、相続税の債務控除の対象外となっています。この取り扱いは、相続税が非課税とされる財産に係る債務まで控除を認めると実質的に二重で控除できることになるためです。
相続人が負担した葬儀関係の費用は、被相続人の死亡に伴う必然的な支出であることを考慮して、相続財産から控除することができます。御布施などの領収書がないものは、メモ書きを残しておく必要があります。
非課税となるものの例 | 非課税とならないものの例 |
お通夜、告別式の費用、葬儀の料理代 火葬料、埋葬料、納骨料 お布施、戒名代 | 香典返し、 位牌、仏壇、暮石の購入費用 法事(初七日、四十九日)に関する費用 |