運送業によくある間違いに、軽油引取税を消費税の課税仕入れにしてしまうことがあります。本来はどうすべきでしょうか。
1.軽油引取税について
軽油引取税は、租税ですので、軽油引取税を納税義務者として支払う場合、その支出は風仕入に係る対価の額には該当しません。軽油引取税の納税者は経由の製造販売業者である元売業者又はその特約業者から軽油を引きとる者とされています(地法114の2①)。特約業者とはガソリンスタンドが含まれます。従いまして、ガソリンスタンドから軽油を購入する消費者が軽油引取税の納税義務を負っていますが、徴収方法の合理化、簡素化等の理由から、ガソリンスタンドなどが特別徴収義務者となり、軽油引取者から軽油引取税を徴収し、納付を代行しています。
2.税務上の取り扱い
通常、ガソリンスタンドが発行する請求書に軽油引取税が区分して明示され、軽油引取税は納税義務者として納付する租税ですので、課税仕入れには該当せず、仕入税額控除の対象となりません。そのため軽油を購入する場合には、軽油引取税部分については「不課税取引」として入力しなければなりません。
3.ガソリンを購入した場合
ガソリン税(揮発油税及び地方揮発油税)は、軽油引取税と異なり、ガソリンを製造するメーカーが製造場から移出した時点で納税義務を負うため(揮発油税法3①、地方揮発油税法5①)、メーカー自身が納税義務者となります。従いまして、メーカーから出荷され流通する段階ではその取引価格そのものがガソリンの取引対価となります。ガソリンは軽油引取税のように消費税等の対象外(不課税)となる部分が含まれず、支払った金額の全額がガソリン購入の対価となります。