青色申告の承認取り消しと逋脱税額

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

最高裁昭和49年9月20日第二小法廷判決

(事件概要)
X:(原告・控訴人・上告人)
Y:(被告・被控訴人・被上告人)

Yは所得を過少に記載した虚偽の確定申告書を提出。法人税額を逋脱。逋脱罪として有罪判決を受けた。しかも上記不正行為を理由として、本件事業年度にさかのぼって青色申告承認を取り消し、損金算入が認められず法人税が増加。

1.論点
逋脱行為で青色申告承認が取り消された場合、特典が遡及的に失われ、そのことで課税所得が増加し、その増加分が逋脱税額に含まれるか否か。

2.判旨 破棄差戻
ある事業年度の法人税額について逋脱行為をする以上、当該事業年度の確定申告に当たり青色申告の承認を受けた者としての税法上の特典を享受する余地はない。逋脱行為の結果として承認を取り消されることは行為時において認識できる。その後、その事業年度にさかのぼってその承認を取り消された場合におけるその事業年度の逋脱税額は、青色申告の承認がないものとして計算した法人税法74条1項2号に規定する法人税額から申告に係る法人税額を差し引いた額であると解すべき。

3.解説
青色申告承認の取り消しは行政処分であり、取消訴訟で争える。取消訴訟が提起され、逋脱藩の刑事裁判時まで結論が出ていない場合は、刑事裁判において、前期取り消し処分の期間となる逋脱行為を認定でき、取消処分に無効となる重大かつ明白な瑕疵がない以上、青色申告取消益は逋脱所得に含まれる(東京高判平成15年3月14日)。
課税当局の理由付記等の手続き不備で青色申告勝因取り消し処分及び増額更正処分が取り消され、課税手続き上当初の申告通り税額が確定し税額が過小とされないこととなった場合、その納期限当時存在した抽象的租税債権そのものを免れた以上、逋脱犯が成立すると判事された(東京高判昭和58年1月26日)。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

税理士がいない!税務調査立ち会い代行します

税務調査プロでは、

個人事業主、フリーランスの方など税理士がいない方への

税務調査立ち会い代行サービスを行っております。

お電話でのお問い合わせ:050-3627-7700 まで。


ご相談・お問い合わせはこちら

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*