虚偽不申告による逋脱犯の成立

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最高裁平成6年9月13日第三小法廷判決

(事件概要)
X:(原告・控訴人・上告人)
Y:(被告・被控訴人・被上告人) 麻雀経営者

被告人は開業以来一部の虚偽過少申告を行っていたが。その後の確定申告をせず納期限をとか。逋脱材として起訴。しかし単純不親告罪とした。

1.論点
逋脱罪と単純不申告罪の要件

2.判旨 上告棄却
被告人は営業状態を把握するため、各店長に店の売り上げを正確に記載した帳簿を作成させており、税務当局から隠匿したり、別に虚偽の帳簿を作成するなどの工作を積極的に行った形跡は認められない。しかし、このような場合でも税務当局が税務調査において帳簿内容を確知できる保証はなく、仮名の預金口座に売り上げの一部を入金保管させることは、税務当局による所得の把握を困難にさせるものであることには変わりない。逋脱の意思に出たものと認められる以上所得秘匿工作に当たる。このような所得秘匿工作を伴う不申告の行為は、所得税法238条1項の逋脱罪を構成する。

3.解説
所得金額をことさら過少に記載した内容虚偽の確定申告書を税務署長に提出する行為は、二重帳簿の作成、正規帳簿の秘匿等の事前の所得秘匿工作を伴わない場合でもそれ自体が偽りその他不正の行為に当たる。一方確定申告書を提出しないことはそれだけでは単純不申告罪にあることはあっても逋脱罪にはならない。
所得秘匿工作をしたうえで、逋脱の意思で不申告の行為があれば逋脱罪となる。

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