日本法人が、インド法人から特許権の実施許諾を受け、これを用いて、中国国内である機材の製造販売を行いました。インド法人は日本国内に恒久的施設を持っておりません。特許権の使用値が中国ですので、日本では源泉徴収を行っておりません。税務上の問題は?
1.国内法における特許権の使用料の取り扱い
日本の法人税法上、特許権の使用料が国内源泉所得に当たるかどうかは、使用値主義によって判定しますから、使用地が中国国内ですので、日本国内の源泉所得には該当しないのが原則です。
2.租税条約の取り扱い
しかしインド法人からというところが曲者です。日印租税条約では、使用料については債務者主義を取っており(日印条約12⑥)、条約においては、使用料の源泉地は債務者である当社の日本となります。つまり、国内源泉所得という扱いとなり、日本本社はインド法人への使用料の支払いについて源泉徴収を行わなければなりません。