登録免許税の争い方

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最高裁平成17年4月14日第一小法廷判決

(事件概要)

X:(原告・被控訴人・附帯控訴人・被上告人)阪神淡路大震災で建物が損壊し、新築

Y:(被告・控訴人・上告人)法務省登記官及び国

Xは建物登記について、大震災の免税措置を知らずに、通常の登録免許税を納付。その後、特例法の免税措置に気づき、税務署長宛てに法31条1項の通知をすべき旨を請求。Yは登録免許税の過誤納がないため、通知できないとして、国税不服審判所へ審査請求できる旨Xに通知。

1.論点

登録免許税を過誤納した場合、どのような訴訟ルートで還付を求めることができるか。

2.判旨 上告棄却

登録免許税の納税義務は登記のときに成立し、納付すべき税額は納税義務の成立と同時に特別の手続きを要しないで確定する。過大に納付した場合には5年間は過誤納金の還付を受けることができる。

登録免許税法31条の1項は登記機関が職権で遅滞なく所轄税務所長に過誤納金の還付に関する通知をしなければならないことを規定。これは過誤納金の還付が円滑に行われるようにするために簡便な手続きを儲けることにある。

登録免許税の過誤納金の還付につき排他的な手続きを定めていることを理由に、同項に基づく還付通知をすべき旨の請求に対してされた許否通知が抗告訴訟の対象となる行政処分に当たると解することはできない。

しかし、登録免許税法31条2項は、簡易迅速に還付を受けることができる手続きを利用することができる地位を保証していると解するのが相当。

許否通知は登記機関が還付通知を行わず、還付手続きを取らないことを明らかにするもの。これで登記を受けた者は簡易迅速に還付を受けられなくなる、そうすると、上記の許否通知は登記を受けた者に対して上記の手続き上の地位を否定する法的効果を有するとして抗告訴訟の対象となる行政処分に当たる。

3.解説

平成23年税制改正によって、①法31条2項の通知請求期間、②申告納税に係る更正の請求期間が1年から5年に延長された。

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