正直1円も税金を払いたくない、という方をたまに見受けます。正直、どんなに稼いでいなくても均等割りはかかってしまいますから、1円すらも納税しないというのはどう考えても無理ですが、それ以外で納税したくないという納税者側の要望に対して、通常の方法と異なった手法を提案することで高額な報酬を得るプロモーターという種族もいます。
そのうちの一つがまず資産運用会社です。資産運用ですので、複数の投資家から集めたお金を一つにまとめて運用します。金融の使い勝手や税金のこともあり、香港やシンガポールに拠点を構えていることが多いと思います。日本で資産運用をしようとすると、規制があって、個人あるいは小さな企業であれば、金融商品取引法で、第二種金融商品取引業、投資助言業などの登録が必要となります。
海外で登録していても、わざわざ日本では登録していないということも珍しくはありません。海外からやってきたプロモーター(その多くが香港やシンガポールに拠点を持つ日本人)は、当然のことながら、日本国内ではなく海外の投資を推奨します。国内でセミナーを開催したり、現地ツアーで海外に連れ出すこともしています。顧客がファンドを購入した際のコミッションが大きいため、熱心です。ちなみにツアーを開くと、どこか旅行代理店をつかうことになりますが、微々たるものですが多少のキックバックもあるようです。
資産運用をしても、増える確率は恐らく5割といったところでしょう。株価の値上がりは上がるか下がるかですから。仮に全員が1,000万円の投資契約を結んでくれて、100人集めれば10億円。手数料5%とすれば5,000万円が軽く入ってきます。それでその後投資の成果がどうなろうと知ったことではない、というのが本音でしょう。
そこで成功すれば次のファンドでも同じ顧客が参入してくるはずですが、概ね失敗しますから、また次の投資家を探しにセミナーを開きます。考えても見ればぼろい商売です。ここだけで見れば、一体税金とどんな繋がりが、と思うかもしれませんが、海外での取引ですから、海外の口座に配当を入れますから、国税にはバレませんよという営業トークを堂々とやっている資産運用会社もあるので、そのような場合には気を付けた方がいいでしょう。その前に投資家は損をすることの方が多いので、確かに税金の心配はいらないことが多いと思いますけれどもね。
脱税支援プロモーターが納税者を騙すというようなこともあるのでご注意を。