源泉徴収の法律関係と納税の告知

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最高裁昭和45年12月24日第一小法廷判決

(事件概要)
X:(原告・被控訴人・被上告人)
Y:(被告・控訴人・上告人) Y1:X会社の代表取締役、Y2:Xの取締役
Z:税務署長

Y1は簿外定期預金の払い出しを受けた。Y2はX会社所有の不動産を譲り受けた。Zは調査を行い、払い出しはY1の所得に、Y2への売却は低廉譲渡で役員賞与となり、源泉徴収義務者であるXにYらから徴収し納付すべき所得税及び不納付加算税等の支払いを求める納税の告知を行った。XはYらに上記納付額の支払いを求めたが拒否されたため本件訴えを提起。

1.論点
源泉徴収の法律関係、納税告知は課税処分か

2.判旨一部破棄自判、一部上告棄却
源泉徴収による所得税額は自動的に確定するのであって、納税の告知によって確定されるものではない。納税の告知は更正又は決定のごとき課税処分たる性質を有しない。
納税告知は国税通則法36条所定の場合に、国税徴収手続きの第一段階を成すものとして要求され、滞納処分の不可欠の前提となるものであり、その性質は税額の確定した国税債権につき、納期限を指定して納税義務者等に履行を請求する行為、徴収処分であって、それ自体独立して国税徴収権の消滅時効の中断事由となる。
源泉徴収による所得税の納税者は、支払者であって受給者ではないから、法定の納期限にこれを国に納付する義務を負い、それを行った場合に生ずる附帯税を負担すべき者は納税者(徴収義務者)たる支払者自身であって、附帯税相当額を受給者に請求しうべきいわれはない。

3.解説
納税告知は抗告訴訟の対象となる。Xは抗告訴訟を提起することなく、納税義務の全部又は一部の不存在の確認の訴えによって自己の権利利益の救済を求めうる。
なお、最判平成17年4月14日では、登録免許税法31条2項の改正に対する登記機関の許否通知は抗告訴訟の対象となるとしつつ、同行所定の手続きによらない過誤納の還付請求を認めている。

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