JV工事の未成工事支出金の算定

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発注者側の都合により地元建設業者2社でJV(建設共同企業体)を組んで、大型工事を受注し工事を行っています。JVには、構成員としての出資金を支払うとともに、JVから下請けとして工事の一部を弊社が行っています。工事は、弊社決算の12月には完成しないために、JV出資金は出資金として流動資産に計上し、下請け分の工事費用は、下請け現場に要した直接経費のみを未成工事支出金として処理し決算を終わらせました。

1.ポイント

JV工事であっても、またJVからの下請け工事であっても、工事に係る間接経費、いわゆる共通費があるはずです。共通費の配布をしておかなければなりません。

2.解説

会社によっては、毎月の間接費の配賦ではなく、決算時点の未完成の工事について、直接要した材料費、労務費、外注費、その他の経費と、共通経費の未成工事への合理的な按分をしたものを、決算処理以前に原価等の経費処理したものの戻入額(戻し額)として経理処理する方法もあります。

毎月の処理、または決算時の処理、いずれにしても、完成していない工事に係る間接費は合理的に見積もり計上して未成工事支出金を算定します。

例えば、現場監督は毎月、いろいろな現場の工事の監督をして、給与等の支給を受けています。経理において、労務費等の経費処理をしていた場合には、決算時点において未成工事に係る現場監督の人件費相当分は、労務費の戻入としなければなりません。

建設業の税務調査では、完成工事の計上時期による正しい課税所得の把握と、未成工事に係る共通経費の未計上また過少計上額の問題がよく指摘されます。現場監督を技術者として一般管理費項目の給与等で処理をしていたが、間接費として未成工事に係る人件費相当額を計算して修正申告を余儀なくされるケースがあります。

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