仮想通貨における所得の計算方法について

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前回は、仮想通貨の売却、仮想通貨での商品の購入、仮想通貨と仮想通貨の交換における処理についてみてきましたが、その他の処理について見ていきましょう。

  • 仮想通貨を追加で購入したときの取得価額の計算(国税庁HPから抜粋)
3月9日 2,000,000円(支払手数料を含む)で4ビットコインを購入。
5月20日 0.2ビットコイン(支払手数料を含む)を110,000で売却。
9月28日 155,000円の商品購入に0.3ビットコインを(支払手数料を含む)支払った。
11月2日 他の仮想通貨購入(決済時点における他の仮想通貨の時価600,000円)の決済に1ビットコイン(支払手数料を含む)を支払った。
11月30日 1,600,000円(支払手数料を含む)で2ビットコインを購入した。

同一の仮想通貨を2回以上にわたって取得した場合の当該仮想通貨の取得価額の算定方法としては、移動平均法を用いるのが相当です(但し、継続して適用することを要件に、総平均法を用いても差し支えありません。)

  • 移動平均法を用いた場合の1ビットコイン当たりの取得価額

上記(例)の場合の1ビットコイン当たりの取得価額は、次の計算式の通り、3月9日時点で500,000円、11月30日時点で633,334円です。

・3月9日に取得した分の1ビットコイン当たりの取得価額

2,000,000円÷4BTC=500,000円/BTC

・3月10日から11月30日までの間に1.5BTCを売却(使用)

・11月30日の購入直前において保有しているビットコインの簿価

500,000円×(4BTC-1.5BTC)=1,250,000円

・11月30日の購入直後におけるビットコイン当たりの取得価額

(1,250,000円+1,600,000円)÷(2.5BTC+2BTC)=633,334円

※取得価額の計算上発生する1円未満の端数は切り上げして差し支えありません。

  • 総平均法を用いた場合の1ビットコイン当たりの取得価額

上記(例)の場合の1ビットコイン当たりの取得価額は、次の計算式の通り、3月9日時点で600,000円です。

(2,000,000円+1,600,000円) ÷(4BTC+2BTC)= 600,000円/BTC
1年間に取得したビットコインの取得価額の総額 1年間に取得したビットコイン 1ビットコイン当たりの取得価額
  • 仮想通貨の分裂(分岐)

所得税法上、経済的価値のあるものを取得した場合には、その取得時点における時価を基にして取得金額を計算します。しかし仮想通貨の分裂に伴い取得した新たな仮想通貨については、分裂時点では取引相場がなく、同時点においては価値がなかったと考えられます。従って、その取得時点では所得が生じず、その新しい仮想通貨を売却または取得した時点において所得が生じることとなります。この場合の取得価額は0円となります。

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