土地を時価鑑定して失敗

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父が亡くなりました。遺産は不動産が大部分であり、不動産鑑定士からの提案で、路線価評価だと時価よりも高いので、時価鑑定を行うべきだというアドバイスを受けました。結果、一方の相続分が少なくなり、不公平な結果になってしまいました。

1.ポイント
遺産分割時の時価をある不動産だけ特定で行うと、不公平な結果になることもあります。相続税を減らす行動が、不公平感を生むのも、遺恨を残します。

2.解説
(1) 土地の評価
土地の場合、路線価評価や、固定資産税評価額を基にした倍率評価などにより評価を行います。しかし、この財産評価基本通達によって計算する金額が、全ての財産の価額(客観的交換価値を示す価額)を必ずしも一義的に確定できるものではありません。

そのため、相続財産の客観的な交換価値を個別に評価する方法を採ることで、課税の公平を保つことができます。土地の場合、不動産鑑定士による時価評価がこれにあたります。

この時価評価が、財産評価基本通達(路線価等)の定めにより評価した価額を著しく下回る場合、実務上鑑定評価額を基に相続税申告を行う場合があります。

(2) 遺産分割協議
原則として「時価」を基準に遺産分割協議は行います。ただし土地の時価を計算することは困難であるため、路線価評価(相続税評価)を基準に遺産分割協議を行う場合も実務上珍しくありません。

特定の不動産のみ、その時価鑑定額を基に、法定相続分で分割協議を行った場合には、全体の相続税は減るかもしれませんが、その不動産を相続した人の他の財産の取り分が増える結果となりますので、遺産分割時の財産の「時価」については、検討が必要です。

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