二重利得法

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松山地裁平成3年4月18日判決

(事件概要)

X:(原告)建築設計及びアパート経営を業とする者

Y:(被告・被控訴人・被上告人) 税務署長

Xは相続当時山林であった土地は宅地造成工事を完了して引渡すことを条件に処分。YはXの所得税について、所得税基本通達33-5を適用し、宅地造成によって生じた利益に対応する部分を事業所得、その他の部分を譲渡所得として所得税賦課決定処分。Xは土地の売却益は譲渡所得であると主張し出訴。

1.論点

譲渡所得とは資産の譲渡による所得。棚卸資産等の所得は譲渡所得に含まれない(所税33条2項)。極めて長期間、販売以外の目的で保有していた土地に、途中から宅地造成等の加工が加えられて得た所得の所得区分が争われた。

2.判旨 請求棄却

加工前に着手する時点までの資産の価値の部分に相当する所得を譲渡所得とし、その他の部分を事業所得又は雑所得とするのが相当。造成地は宅地造成の時点で棚卸資産に転化。よって、Xが対価を経て継続的に売買する意思で宅地造成に着手する直前における右造成地の価額をもって譲渡所得とし、その他の所得を事業所得とする。

3.解説

通達33-5は投資目的での所有期間が極めて長期間の場合に限って二重利得法の適用を認めている。資産の所有目的の変更時点が明確な場合は、二重利得法の適用は解釈論として成立する。

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