譲渡の意義~負担付贈与~

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

最高裁昭和63年7月19日第三小法廷判決

X:(原告・控訴人・上告人)訴外Aの配偶者

Y:(被告・被控訴人・被上告人) 税務署長

A:浜名湖競輪場に隣接する土地を所有。

AはXらに共有持分を無償で譲渡する代わりにAの第三者に対する債務を支払う旨の土地所有権移転契約を締結。Xらは所得税の確定申告に当たり、贈与で取得したものとして、所得税法60条1項1号を適用し、それら土地の保有期間をAから引き継いだとしてこの譲渡所得を適用して税額を算出。Yは贈与に該当しないとして、増額更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分を行った。

1.論点

所得税法60条1項1号の贈与という借用概念の解釈

法人に対する贈与の場合、みなし譲渡所得課税を行う原則に対し、個人間の贈与の場合にはこれを行わず、取得価額、所有期間の引継ぎを認める例外の趣旨

土地の譲渡に対する措置法31条の長期譲渡所得あるいは同法32条の短期譲渡所得いずれにあたるか。

2.判旨 上告棄却

所得税法60条1項1号の贈与には、贈与者に経済的な利益を生じさせる負担付贈与は含まない。従い短期譲渡所得の課税となる。

3.解説

贈与に関しては民法等の借用概念に該当する。

親族間の贈与のように現実に譲渡収入がないところに課税を行うのは納税者の感情にそぐわないのが法60条1項1号の意義。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

税理士がいない!税務調査立ち会い代行します

税務調査プロでは、

個人事業主、フリーランスの方など税理士がいない方への

税務調査立ち会い代行サービスを行っております。

お電話でのお問い合わせ:050-3627-7700 まで。


ご相談・お問い合わせはこちら

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*