売上割戻金の損金算入時期について

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売上割戻金だからといって、全額、当期に損金算入できるとは限りません。以下、計上のポイントについてみてきましょう。

1.税務調査官の対応

売上割戻金の未払計上については、期末までに債務が確定しているかどうかで、損金に算入できるか否かが決まります。その時のポイントとしては、①その金額が客観的に算定できるものかどうか、②算定基準を相手方に明示しているか、そして③支払いの通知はいつ行ったか、になります。いくつか場合分けして見ていきましょう。

(a) 売上割戻の算定基準が明確であり、相手に明示されている場合

契約があってなおかつ、その算定基準が取引価額により、相手に明示されていれば、取引のあった日の属する事業年度の損金に算入できます。この場合、相手方への通知は、確定申告書の提出期限を超えていても問題はありません。

(b) 売上割戻の算定基準が相手には明確でなく、相手にも明示されていない場合

仮に契約がなかったとしても、算定基準が相手に明示されていればよいのですが、明示されていないため、損金に算入できるかどうかは通知が確定申告書の提出期限内かどうかによります。また、算定基準が取引価額によっていたとしても、その計算基準は社内基準であって、相手方に明示されていなければなりません。

(c) 売上割戻の算定基準が自社でも明確になっていない場合

算定基準が明確でないわけですので、損金に算入することはできません。但し、確定申告の提出期限内に相手に通知をしている場合には、通知をした日の属する事業年度の損金に算入できます。

まとめますと、以下の3つの要件を満たせば、唐事業年度において債務が確定したものに準ずる状況にあるとみなして、継続適用を条件として法人の算定基準により計算した金額を損金の額に算入できます(法基通2-5-1(2))。

  • 売上割戻の金額の算定基準が内部的に決定されており、期末までに算定が可能であること。
  • 未払金として会計処理していること。
  • 確定申告書の提出期限までに相手方に通知していること。

2.税務上の対応

従いまして、上記3つの条件を満たせば、損金に算入でき、そうでないならば損金に算入できないということになります。相手方の認識を加味した債務確定主義の観点により損金性が判断されます。自社の認識では足りません。

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