名義預金では配偶者の特例が使えない

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預金名義は妻であるのに実質的には主人のものという名義預金としてみなされると、そこに入っている財産で配偶者の税額軽減の適用は受けられませんと言われてしまいました。

1.ポイント
配偶者名義だから配偶者のものであるとは限りません。その財産形成過程が重要です。配偶者が仮装または隠蔽をしたと認定された場合には配偶者の税額軽減が使えなくなります。相続税の申告前に名義預金等でないかどうかを確認しましょう。

2.解説

配偶者の税額軽減とは、①1億6,000万円と②ご主人が残した財産の法定相続分(一般的には半分)のいずれか大きい金額まで配偶者が相続しても相続税はかからない制度です。

但し、「配偶者がその相続財産を仮装または隠蔽した(知っていて隠した)と認定された場合」にはこの税額軽減が使えないどころか、相続税本税の35%の重加算税がかけられてしまう可能性があります。

そのため、配偶者名義の預金に問題がないかどうかを確認しましょう。例えば、実家からの相続や贈与でもらった財産かどうかの確認や、結婚前・結婚後に自分で働いてできた財産かどうか、さらに生前にご主人からの贈与でもらったものかどうかを確認することになります。

(a) 仮装・隠蔽とされたケース
配偶者が贈与という直接的な事実を立証できなかったこと及びその配偶者自身が保険契約の指示や不動産購入の指示を行っている場合(平成23年5月26日裁決)。

(b) 仮装・隠蔽とされなかったケース
配偶者にも固有の財産があり、相続財産である配偶者名義である夫の財産と配偶者固有の財産とを一括して管理運用しており、これらの財産の明確な区分ができなかったケースでは、配偶者がその配偶者名義財産を明らかに相続財産と認識していたとは認められない(平成24年4月24日裁決)。

家族の名義預金について、課税側はその通帳や印鑑の使用状況や、保管場所などの管理状況について具体的に主張も立証も行わず、原資については相続開始日前3年間の被相続人の収入が多額であること等を挙げるのみで具体的な主張立証をしていないということで相続財産とは認められない(平成25年12月10日裁決)。

このことから、以下のことに注意しておきましょう。
① 名義での判断ではなく実態で判断されます。
② 贈与したのであればその証拠(贈与契約書等)を取っておきましょう。
③ 夫婦別産制だからお互いの財産はきちんと分けて管理することが重要です。
④ へそくりといえども毎年贈与契約書を交わすことが大切です。

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