不動産の相続税評価額に見る国税の本気

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相続税対策において不動産は効果あるんでしょうかねえ~。

1.国税の伝家の宝刀
相続税の申告に当たって、相続財産の評価は「財産評価基本通達」を参考にすることになり、そこには土地や建物、株式等の評価方法を細かく定めています。不動産が節税効果があるといわれているのは、そもそも不動産は路線価に基づいて、評価するのですが、路線価自体が、元々相続や贈与によって納税者の負担が重くなりすぎないように公示価格の8割程度の水準で設定するものだからです。さらに、建物が借家であれば、借家権が付くのでさらに評価額が下がります。

相続税法は相続財産の評価を原則として時価としていますが、この時価と評価額との間に著しい乖離がある場合には、特別な事情があるとして、時価に引き戻す、基本通達の6項の適用をする場合があります。この適用があれば納税者にとって不利な評価設定になります。これは国税庁にとっては、ある意味で伝家の宝刀です。著しい乖離は、基準が不明確であり、国税庁の恣意が働きやすいのです。

2.著しい乖離に関する基準とは
著しい乖離について、基本通達の6項を適用するための4つの条件は次の通りです。
(a) 基本通達の評価方法を形式的に適用する合理性の欠如
(b) 基本通達に定めた評価方法の他に合理的な評価方法が存在
(c) 基本通達の評価の方法による評価額と、他の合理的な評価方法による評価額との間に著しい乖離が存在
(d) 著しい乖離が生じたことに納税者の行為が介在していること

本来は基本通達の評価方法に問題があるのであれば、それを見直す方が先なのですが、中々に難しい問題です。相続税対策として販売される投資用不動産に対する需要にもブレーキがかかるやもしれません。

もっとも、「相続対策のための不動産購入」というものが許されるのも変な話です。担税力があるものが、税金を払うという原則がある以上、知っている者、あるいは知っている者が優遇されるということはあってはならないことだと思います。

税制の適用は誰に対しても平等であるべきだと思います。そうなると全てAI化が可能になりますから、税理士は不要になりますけれども。こちらも頭の痛い話です。

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