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父の死、母の死が起きました。父の死の時に、兄弟で明確に財産分割について話し合っていたのですが、母の財産については曖昧にしていたために、後でもめました。
1.ポイント
一次相続の時に口頭だけで分割協議を済ませてしまい、直ちに分割協議書を作成しておかなかったわけですが、なるべく、一次相続(父)、二次相続(母)の分もまとめて考えておいた方が無難です。
2.解説
父親が死亡する一次相続の話し合いは母親がいるため揉めごとなく終わることが多いのですが、母親が死亡して子供たちで行う二次相続の話し合いは、揉めるケースが少なくありません。一次相続と二次相続は相続人にとっては全く別の問題なのですが、一次相続であまり財産をもらえなかった相続人が、二次相続で不満を爆発させてしまうことが多いためです。
一次相続の時は問題なく話し合いがまとまったからといって、家族を信じ、不動産の名義変更をせずにいた場合、時間の経過とともに相続人の心が変わり、話し合いの内容がひっくり返されてしまう可能性があります。結婚により新しい家族を持つと、その配偶者の意見により考え方が変わることは多々あります。
一次相続と二次相続は別の問題なのですが、一次相続手続きが終わっていないと、今回のように二次相続で財産を有利に取得するための切り札とされてしまうこともあります。さらに、感情がもつれてしまうと、もはやお金の問題ではなくなってしまい、永遠に不動産の名義変更書類にハンコを押してもらえない可能性もあります。
さらに、仲が良かったとしても相続人の1人が認知症になってしまった場合には、成年後見人を立てるなどしないと、遺産分割協議を行うことができず、不動産の名義変更ができずじまいになるケースもあります。分割の話し合いが無事まとまったら、すぐに遺産分割協議書を交わしましょう。