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(りそな外税控除否認事件)
(事件概要)
X:(原告・被控訴人・被上告人)りそな銀行
Y:(被告・控訴人・上告人)
B:Aの全額出資子会社(クック諸島)
C:Aが28%を保有するクック諸島の会社
1.論点
外国税額控除の余裕枠を利用して利益を得ようとする取引に基づいて生じた所得に対して課された外国法人税を法人税法69条の定める外国税額控除の対象とすることが認められるか否か。
2.判旨 破棄自判
法人税法69条の定める外国税額控除の制度は、内国法人が外国法人を納付することとなる場合に一定の限度でその外国法人税の額を我が国の法人税の額から控除するという制度である。
本件取引は、外国税額控除の余裕枠を利用して国内で納付すべき法人税額を減少させることによって免れ、最終的に利益を得ようとするものである。
我が国納税者の負担の元に取引関係者の利益を図るもというほかない。
外国税額控除制度を濫用するものであり、税負担の公平を著しく害するものとして許されない。
3.解説
本判決では、法人税額を減少させたうえで、この免れた税額を原資とする利益を取引関係者が享受する、つまりCが支払うべき外国税をXが支払って税額控除したと評価されることに基づいている。