相続財産の評価~取引相場のない株式~

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東京高裁平成25年2月28日判決

(事件概要)
X:(原告・被控訴人)
Y:(被告・控訴人) 税務署長
A:合成樹脂及び金属等による容器等の製造販売 通達178の大会社
B:不動産及び株式等の保有 中会社 BがAの74.7%の持ち分を保有、AがBの83.8%を保有。つまりAの評価額が上がればBも上がるという関係。

Xが相続した会社の相続税評価に関して、B社は財産評価基本通達189に規定する株式保有特定会社に該当するが、A社は該当しないとして申告。課税庁はどちらも該当するとして更正処分。

1.論点
大会社の評価会社を株式保有特定会社とするその基準の合理性について

2.判旨 控訴棄却
評価通達において定められた評価方式が合理的かについては国が立証すべき。
株式保有特定会社の株式の価額に評価に関する評価通達の定めは、資産構成が類似業種比準方式における標本会社に比して著しく株式等に偏っている評価会社の株式の価額について、様々な要請に答えつつ合理的なもの。
評価通達の平成2年改正当時と状況が異なり、平成15年法人企業統計により、資本金10億円以上の金融業及び保険業を除く営利法人の株式保有割合は16.31%であり、株式保有特定会社に該当するか否かの基準25%と比較して格段に低いものとは言えない。
大会社につき株式保有割合が25%以上ある評価会社を一律に株式保有特定会社として株式の価額を評価することについての合理性は十分に立証しているとは言えない。
本件Aは合成樹脂容器の製造販売についてトップシェアを有し、時価総額が類似業種比準方式の標本会社である上場会社の時価総額の大部分を上回っていること、A会社の株式保有割合は約25.9%にとどまっていることから、租税回避の弊害を危惧しなければならないものではない。A社株式の評価において株式保有特例会社に該当するものとは言い難い。

3.解説
平成25年の改正で、株式保有特定会社の定義は50%に引き上げられた。

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