訴えの対象~更正・再更正の関係~

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最高裁昭和42年9月19日第三小法廷判決

(事件概要)
X:(原告・控訴人・上告人)洋品店
Y:(被告・被控訴人・被上告人)税務署長

YはXが店舗を代表取締役に低廉譲渡をした件で法人税法上寄付金として扱い、一定額を損金不算入として計算しなおした更正処分を行った。Xは取り消し訴訟。

1.論点
更正に対する取消訴訟の継続中に再構成、再々更正がなされた場合の当初更正の取り消しを求める訴えの利益について

2.判旨上告棄却
第2次更正処分は第3次更正処分を行うための前提手続きたる意味を有するにすぎず、第2次更正処分も実質的には第1次更正処分の附記理由を追完したにとどまることは否定できないが、これら行為も独立した行政処分であり、取消の求められていない本件においては、第1次更正処分は第2次更正処分によって取り消され、第3次更正処分は新たな行政処分と解さなければならない。

3.解説
更正に対する取消訴訟の継続中に再更正、再々更正がなされた場合の当初更正の取り消しを求める訴えの利益について判断されたもの。学説上は次の3説がある。
(a) 消滅説:再更正により当初の更正は独立の存在意義を失うため、更正を対象とする取消訴訟は訴えの利益を失う
(b) 分離説:更生と再更正はそれぞれ独立して分離、併存するため、両者ともに取消訴訟の対象となりうる
(c) 逆吸収説:再更正の方が当初の更正に吸収されるため、当初の更正について取り消し訴訟を提起しておけばよい

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