損金にできる役員賞与である事前確定届出給与の注意点

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役員報酬は毎月同じ金額を支払わないと損金に算入できません。そのため役員賞与を支払うときは、事前に税務署に届け出ておく必要があります。

事前確定届出給与制度があるのですが、これを出したら、届け出通りに支給しないといけません。資金繰りの都合で支払えませんということがあったら、原則、全額損金不算入という扱いです。ポイントは以下の四つです。

(a) 届け出た支給額と異なる額の給与を支給した場合、その支給額の全額が損金不算入になります。つまり、届出額よりも増額して支給した場合には、増額した差額だけが損金不算入となるのではありません。

仮に事前確定届出給与を100万円としておいたとしましょう。思いのほか利益が出そうだから、よし、150万円払ってしまえ、といった場合は、プラス50万円だけが損金不算入ではなくて、届け出た100万円も含めて全額が損金不算入となります。

(b) 任期期間中に複数回にわたる支給が事前に確定していた場合、そのうち1回でも届け出通りに支給されなかった場合には、原則、その複数回の全てが損金不算入となります。

仮に、任期第1回の届出額を100万円、第2回の届出額も100万円としていたとして、第2回で200万円支払った、つまり1回でも異なる支給がなされた場合には、これら複数回の支給額全てが、事前確定届出給与に該当しないとされ、その全額が損金の額にならないとされます。

(c) 任期期間中に複数回支給する賞与が、二期以上の事業年度にまたがる場合。以下のようになります。

1) 先行の事業年度において届け出と異なる金額が支給された場合
後続における支給額も含めて全額が損金不算入となります。

2) 先行の事業年度は予定通りだが、後続の事業年度が届け出と異なる金額が支給された場合
先行の事業年度は例外的に損金算入を認め、後続の事業年度は損金不算入という取り扱いになります。

なぜこのようなことが起きるかと申しますと、役員の任期と会計期間が一致しないためです。

(d) 支給された賞与の額が事前確定届出給与に該当するかどうかは、個々の役員ごとに行います。

ある役員への支給額が届け出の金額と異なる場合であっても、別の役員への支給額が否認されません。

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