基本的にプライベートバンクは、それなりの富裕層でないと口座を作ることはできませんので、我々一般庶民には無縁です。さて、このプライベートバンクとは何をやっているのかというと、顧客ごとに専任担当者がついてくれて、色々と資産運用の相談に乗ってくれます。商業銀行とは異なって企業に貸し付けはしません。そのため貸し倒れリスクはほぼありません。プライベートバンカーの主な収益源は、顧客からの手数料と、成功報酬といったところです。ちなみに保険商品などに質権設定をして顧客個人に貸し付けをすることはあります。
プライベートバンクの金融商品は幅広くあります。世界市場のあらゆる商品を購入することができます。当然、貧乏人には教えてくれないような素敵な金融商品であふれています。富裕層と言っても投資のプロではないために、投資のプロであるプライベートバンカーに一任することが多いかと思われます。
顧客ごとのコンシェルジュ体制になっているはずですが、担当者の入れ替わりがあります。成果報酬型の契約がほとんどであって、優良顧客を多く抱えてインセンティブ制で、実力主義、しかもバンカーに顧客が付くことが多く、自信の転職に合わせて自分の顧客も新たな転職先に移管することもしばしばです。ちなみに営業ノルマを達成できない場合に解雇されるということもあるそうです。あるプライベートバンクでは初年度に50億円の資産を積ませなければ解雇というところもあるとか。プライベートバンクによっては、顧客の移行が禁止されているところもあって、プライベートバンクに顧客を積んでも、解雇され、その顧客を転職先に移行させられないということもあったそうです。
自分の場合、前のお客を連れてきてくださるなら、来てくださいと言われたことがありますが、そんな卑怯なことはできるか、自分なら一から顧客を作ってやる、といったものの、それであれば結構ですと、あっけなく転職を断られたということがあります。正直、ひどい世界ですね。そういう考え方の上がいる会社には勤めたくないものです。
しっかりしたプライベートバンクでは、営業上必要な資料は紙媒体では日本に持ち込まず、データはクラウド上において置き、メールも後日の証拠として残さないように注意を払っていることもあります。そして、契約は香港やシンガポールで行います。多額の海外送金が行われますから、そこで金融庁もある程度の把握はできますが、営業活動の証拠が取れないため、身動きがとりづらいようです。