金取引を活用した消費税還付

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輸出免税などを含み、消費税の還付を申告する法人に対する調査を強化しています。消費税の申告は、商品・サービスを売ったときに受け取る税額から、仕入先に支払う税額を差し引いて納税額を計算し、受けとった消費税より支払った消費税の方が大ければ、原則還付を受けられます。

1.法の不備をついた消費税の還付スキーム
還付はお金がもらえる制度ですから、消費税率が引き上げられれば、より儲かるわけで、不正還付が起こっています。しかしそれだけ国庫を少なくすることですから、国税が全件、還付の審査をしています。そのため、不正還付は行ってはなりませんし、相当高い確率で不正還付は見抜かれます。

法律違反ではないながらも、法の不備を突いた消費税の還付を行っている輩も少なくありません。これらのうちに有名なのが、金還付スキームと呼ばれるものです。

消費税の仕組みとしては、消費税が課税されない売上(非課税売上)があれば、その仕入れに際して支払った消費税は、原則として控除ができず、還付の対象とはなりません。この非課税売上の典型が居住用家賃です。居住用家賃を得るマンションを不動産投資家が購入しても、マンション購入の際に支払った消費税は原則として控除できません。つまり還付は認められないのです。

しかし、同時に課税売上が一定の割合を超える場合には、原則居住用マンションの消費税でも還付することができます。このときには居住用マンションから得る賃料を大幅に上回る相当の課税売上が必要となり、それを作り出すのが金取引となのです。

高額な売り上げになる金取引を何度も繰り返すことで課税売上を大きくします。注意が必要なのは、マンションの引き渡しを受けるタイミングで還付を受けるために、同期に金取引を多額に行わなければならないのです。消費税の控除の時期は建物の引き渡し時です。売買契約のタイミングではありません。それが同期だったら、同じではありますが。

2.マンション業者の消費税
現在では金を用いた還付スキームは違法ではないために、認められていますが、当然、国税もこのままというわけにはいかず、いずれ改正し、上記の方法では、消費税の還付が不可能となるでしょう。

また、マンション転売業者が、仕入れたマンションの消費税について、不動産投資家のように投資が目的ではなく、転売が目的であるため、全額、受け取る消費税からの控除が認められていました。しかし国税当局は、一時的にでもマンション転売業者が居住用の賃料を得ている場合には、控除できる消費税を制限しています。

このため、解釈変更に伴って、マンション転売業者に対して多額の消費税を追徴しています(なお、この件は現在係争中)。いずれにしてましても、消費税が増税され、国民の目も厳しくなっていますから、消費税に関する税務調査はどんどん厳しくなっていくと予想されます。

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