個人事業当時から勤務する従業員に対する退職金について

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個人事業主として飲食店を経営していますが、この度法人成りをすることになりました。そして、個人事業主から法人へ、全員を移籍させ、退職規程も設けます。

1.ポイント
仮に法人成りしてすぐ後で従業員が退職してしまったら、個人事業主の頃の勤続年数は法人で引き継げない可能性があります。

2.解説
個人事業を引き継いで設立された法人が、個人事業当時から引き続き在職する従業員の退職により退職金を支給する場合に、個人営業の頃の在職期間を通算して退職金を支給するということは、一般的に行われていますが、税務上は、「法人設立後相当期間を経過していない場合には、個人事業主の肩代わりである」とされ、法人の損金として認められない可能性があります。

「個人事業主の肩代わり」と認められた場合は、個人所得税の最終年分の必要経費とするしかありませんが、減額更正は期限があります。更正の請求ができる期間は、原則として法定申告期限から5年以内です。

実務的には法人設立後「概ね3年以上」立てば認められる可能性が高いと言われてます。しかし、概ね3年以上ということが明文規定されておりませんから、3年を超えていたとしても、退職規程の運用状況によっては、法人の損金として認められない可能性がありますので、ご注意下さい。

条文は以下のようになっています。

(個人事業当時の在職期間に対応する退職給与の損金算入)
個人事業を引き継いで設立された法人が個人事業当時から引き続き在職する使用人の退職により退職給与を支給した場合において、その退職が設立後相当期間経過後に行われたものであるときは、その支給した退職給与の額を損金の額に算入する。(法人税法基本通達9 – 2 – 39)

相当期間経過後、というあいまいな書き方になっていますね。

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