合法性の原則

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最高裁平成22年7月6日第三小法廷判決

(事件概要)

X:(原告・控訴人・被上告人)

Y:(被告・被控訴人・上告人)愛知県

Xは訴外Bの脅迫を受け、自動車ローンを締結し、Bに引き渡した。Xは本件自動車を占有しておらず、自動車税を減免申請。県税事務所長は減免規定に該当しないと申請を却下。

1.論点

Xの自動車が横領されたことで、自動車税を減免する場合に、その横領が天災その他特別の事情に当たるといえるか。また、課税の減免の手続きいかん。

2.判旨 破棄自判(Xの控訴棄却)

課税庁による恣意を抑制し、租税負担の公平を確保する必要性を鑑みると、課税の減免は法律又はこれに基づく命令もしくは条例に明確な根拠があって初めて行うことができる。

地方税法162条の自動車税の減免は「天災その他特別な事情」で減免を認める。徴収の猶予の要件よりも厳格に解すべき。

Xは脅迫された結果とはいえ、Bに対し本件自動車の貸与を承諾していたため、自動車を利用できないという損害を被ったとしてもXの意思に基づかないと客観的に明らかな事由で生じたものとは言えず、「天災その他特別な事情」に当たるとは言えない。

3.解説

租税法律主義の手続き的側面である合法性の原則によれば、課税要件が充足されている限り、租税行政庁には租税の減免の自由はなく、租税を徴収しない自由もなく、法律で定められたとおりに税額を徴収しなければならないのであって、法律の根拠に基づくことなしに租税の減免や徴収猶予を行うことは許されない。

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