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最高裁平成21年12月10日第一小法廷判決
(事件概要)
X:(原告・控訴人・上告人) Aの法定相続人の一人で、Aは国税の滞納者
AがX等と行った遺産分割協議が国税徴収法39条に第三者に利益を与える処分に当たるとして、Xが法定相続分を超えて取得した相続財産の価額から、諸々控除した残額がXの受けた利益の限度額であるとして、Xに対して、徴収法39条に基づく第二次納税義務の告知処分を行ったとこと、Xが不服申し立てをした。
1.論点
滞納者を含む共同相続人の間で成立した遺産分割協議が徴収法39条にいう第三者に利益を与える処分に当たるか。
2.判旨 上告棄却
遺産分割協議は相続の開始によって共同相続人の共有となった相続財産について、その全部または一部を各相続人の単独所有とし、又は新たな共有関係に移行されることで相続財産の帰属を確定されるものであるから、国税の滞納者を含む共同相続人の間で成立した遺産分割協議が滞納者である相続人磯の相続分を超える財産を取得させるものであるときは、国税徴収法39条にいう第三者に利益を与える処分と解するのが相当。
滞納者に詐害の意思のあることは同条所定の第二次納税義務の成立要件ではない。