関税暫定措置法第4条の規定により関税が免除されるために、輸入申告については、その使用者の名義を持って行うことが求められています。輸出入業務の代行業を営む会社が輸入時に消費税を支払っている場合、使用者ではなく、代行業者が仕入税額控除をうけられるのでしょうか。
1.輸入取引に係る消費税の納税義務
輸入取引に係る消費税の納税義務者は、課税貨物を保税地域から引き取る者、すなわち輸入者です。輸入者は関税法の規定により、申告を輸入者の名義で行わなければなりません。
2.関税暫定措置法の規定による関税の免税措置と消費税の仕入税額控除
航空機部品のようにわが国で製造が困難なものの輸入は、関税暫定措置法第4条第1号の規定により関税が免除されますが、その適用に当たっては、輸入申告につきその使用者の名義を書かなければなりません。
この場合、申告書上の輸入者は航空機部品の使用者となりますが、輸入貨物の引取に関する消費税は、実質的な輸入者である輸出入の代行業者が納付することになります。
しかし、事業が保税地域から引き取る課税貨物につき、申告書を提出した者が税額控除の適用を受けます。仮に代行業者が、消費税を支払っているにもかかわらず、申告書の名義人でないために仕入税額控除を受けられなければ不合理です。そのため、以下の場合には実質的な輸入車が課税貨物を引き取ったものとして、仕入税額控除を受けられるとしています(消基通11-1-6)。
- 実質的な輸入者が、輸入申告書が引き取ったものとされる輸入貨物を輸入申告後において輸入申告者に有償で譲渡すること
- 実質的な輸入車が課税貨物の引き取りに係る消費税額及び地方消費税額を負担すること
- 実質的な輸入者が、輸入申告者名義の輸入許可書及び同名義の引き取りに係る消費税等の領収書の原本を保存すること