ラブアンは脱税の匂い

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タックスヘイブンが胡散臭い制度であるのは、合法的節税をやっているということも含め、名義借りの存在です。これは情報保護が最大の目的であって、真実のオーナー情報を登記せず、第三者名義で法人登記ができる制度です。株主や役員等、代理人名義で法人設立から運営までできるため、非常に匿名性が強い制度なのです。そのため、犯罪者やそもそも政治家など、自分がしこたま儲けていることを気づかれたくない人にとっては、非常にありがたい制度なのです。しこたま儲けていない我々一般庶民は、そもそもバレたといってもたかが知れた貯金しかありません。

さて、タックスヘイブンは胡散臭いところばかりですが、日本人にとって非常に距離的にも近い場所と言えば、ラブアン島かもしれません。ラブアン (Labuan) は、マレーシアの連邦直轄領の一つで、サバ州の沖合い南シナ海に浮かぶ島です。第二次世界大戦のときは、一時期日本軍が占領したこともあるようです。どこにあるかを説明するには、フィリピン、ベトナム、マレーシア、インドネシア、シンガポールに囲まれたところといった方がわかりやすいかもしれません。

元々は観光がメイン産業でしたが、1990年にオフショア金融センターとなりました。マレーシアに居住したい人は、ラブアン法人の役員になってビザ申請すると居住者となれるようです。しかもラブアン法人からの役員報酬はマレーシアの所得税が非課税。ラブアンの法人税は3%(あるいは2万リンギットを選択可)。但し、間違ってはいけないのは、日本の居住者であれば、マレーシアでは税金を課されませんが、日本では課されます。日本人である以上、全世界所得課税であるということをお忘れなく。

もう一つでメリットがあるとすれば、ラブアン法人はマレーシア国内法人との取引ができません。さらにマレーシア通貨での仕入れ決済もできません。外貨を稼いでくるには良いのですが、マレーシアで稼ぐ人にはこれほど不便な場所はないことになります。そのため、ラブアンで稼ぐためには、マレーシア本国以外の取引、日本との取引であれば源泉徴収の対象とならない取引、ネット系のビジネスであればもってこいと言えそうです。但し、日本向けの商売の場合には、消費税は日本でかかる可能性(消費税のリバースチャージ)があるのでご注意を。

ラブアン法人は配当が非課税、源泉税もなく、登記情報は非公開。脱税しろと言わんがばかりの制度設計になっています。当然日本居住者がラブアン法人の株主であれば、タックスヘイブン対策税制の適用を受け、タックスメリットは享受できなくなります。直接、日本の取引先がラブアンとなっている場合には、税務署からの税務調査も増えることを覚悟しておいた方がいいでしょう。もっとも、事業実態があれば、問題はありません。税務調査があってもなにも恐れる必要はないのです。

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