消費税還付は輸出業にとってはものすごいメリットのあるものです。それだけ海外の業者と競争するときに、価格メリットを生み出しやすいのです。つまり安く売れるということですね。
さて、本来の消費税還付は、日本の海外での競争力を高めるために使うべきスキームなのですが、これを悪用する輩がいます。ここで、金塊を使って消費税還付を試みるワルのスキームをご紹介しましょう。
海外で消費税が課されない国があります。悪用を避けるために、どこの国かということはこちらではお教えできません。ご自分でお調べください。
そちらで金のインゴッドを購入し、日本で同じレートでさばけば、消費税分を儲けることができます。本来は、インゴッドを輸入したときには、税務署に消費税を払わなければなりません。しかし、ワルはこれを密輸するというわけです。
Aが海外の業者Bからインゴッドを1億円で購入し、ハンドキャリーで密輸します。Aが国内のCに1億1千万円(消費税込)で売却します。そうすると単純に1千万円の利益が発生します。通常は、輸入時に消費税分(上記では1千万円)を支払います。
Cが実は海外の業者Bに対して、1億円で輸出します。何の費用もかからないとすると、1千万円の消費税還付を受けられます。インゴッドがぐるぐるしているだけで、Cの消費税還付分が利益になっていくというわけです。ぐるぐるの回数×消費税分、ワルはずるいスキーム考えますね。AもBもCもグルです。グルがインゴットをグルグルですね。悪い冗談です。ここでAは密輸品を売りますので、足がつかないように自分の名前では売らなかったり、BもCもペーパーカンパニーにする。しかも取引の都度変える、等しているとか。インゴッドの価格が変動しても、日本の国税から消費税をゲットするスキームなので、価格変動は何らリスクにはならないというわけです。もちろん密輸が上手く行けばの話ですから、税関を抜けられるかどうかも問題です。スルーしやすい税関もあるとかないとか。
もちろん、税務署は消費税の不正還付には神経をとがらせてしまいますから、実地調査や必要書類の提出が必要となります。その調査が終了するまで還付を保有されます。一番、嫌らしいスキームは、この方法を絡めて、支払う消費税を減らすことだと思います。消費税を納税してさえいれば、税務調査も緩みますからね。
いずれにしても、国民の血税をちょろまかすようなことはやめましょう。