税務調査が入るときについて、記載しましょう。
1.調査は突然に
通常の任意調査では、税務調査の手続きを定めた国税通則法に基づいて、当局から顧問税理士へ事前に連絡する場合がほとんどだと思います(税務代理権限証書でそのようになっていれば)。
原則として事前通知は、電話か正面で行われます。そこで調査の開始日時、場所、調査対象の税目を伝えられます。税務調査自体は拒否できません。しかし調査日程については変更が可能です。
税務署も忙しい時期やそうでない時期があります。3月期決算が会社には多いので、その場合は秋の調査が多くなります。9月決算なら春になります。相続税の税務調査は秋ごろが多いといわれています。しかも申告から1年以上経過してから調査されることが多くなっています。
よほど悪質な脱税の可能性があるとか、現金商売で、現場を押さえないと証拠がつかめないような場合を除いて、きちんと調査は手順を追ってきます。ある意味では手順を追って連絡してくるようであれば、悪質だとは思われていないということでしょう。
2.申告漏れの責任は誰が取る
税理士に税務申告を依頼して、税務当局から申告漏れを指摘された場合、税理士に責任を持たせることができるのでしょうか。それが税理士の明らかな誤りのアドバイスの場合であれば、損害賠償を請求できる場合もありますが、税務は納税者に責任があって、税理士に代行を依頼しても、納税者に監督責任があり、納税者が完全に責任を免れることは難しいのが現状です。
また、納税者の虚偽の情報に基づいて税理士が申告を行った場合、税務調査で例えば、架空経費等の不正がわかったときは、税理士から不服申し立てをするか、修正申告に応じるか判断を納税者に仰ぐことになります。
税理士と会社で結託して脱税という場合もありますが、問題になる場合には、会社の方が税理士にきちんと伝えていない場合や、税理士に対する報酬が少なくて、税理士のチェックが手が届かない場合があります。お金を払ったからあとは全部やれ、という態度のお客様がいらっしゃいますが、きちんとしっかり節税対策をして欲しいと思ったら、それなりの報酬を税理士に払うべきだと思います。そのような関係性が崩れているから問題になることが多いのです。