バックリベートに対する税務上の注意点

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料理人がオーナーの知らないところで仕入のバックリベートを受け取っていました。このようなときの税務上の対応はどのようになるのでしょうか。

1.バックリベート

法人の従業員が仕入先から受領する謝礼金については、社会通念上の常識の範囲であれば、受け取った従業員に帰属することになりますが、その額が常識を超えていたり、毎月のように反復して受け取るような場合は、その原資は法人が支払う仕入れ代金の水増し分が原資になっていると思われます。そこで、従業員がバックリベートを受け取るのは、法人の従業員である地位を利用して仕入先に便宜を与えている(法人としては損失になっている)と考えます。この場合、税務上は雑収入の計上漏れという扱いになってしまいます。

2.損害賠償請求権

しかし、従業員が勝手にやったバックリベートであれば、往々にしてそういうことがまかり通ってはおりますが、法人としてはそれに相当する横領損が発生していることになります。法人に損害が発生すれば、その損失額は損金の額に算入されますが、不法行為によって被った損害に係る損害賠償請求権は、社内外の者によって取り扱いが異なります。

  • 社外の者から損害を受けた場合

損害の発生時とは切り離して損害賠償金を受けるべきことが確定した日又は実際に支払いを受けた日の属する事業年度において益金の額に算入することを認める取り扱いがあります(法基通2-1-43)。

  • 社内の者から損害を受けた場合

原則、損害発生と同時に損害賠償請求権が発生し確定していると考えます。

但し相手方に損害賠償金の支払い能力がない場合は、貸倒損失を計上することになりますが、相手方が社内の人間であるときで、支払い能力があるにもかかわらず損害賠償請求権行使を放棄したときには、支払い可能と認められる部分の金額については給与として扱います(法基通9-7-17)。

3.税務上の対応

仮にこの料理人に食材仕入れの全権を与え、その内容をチェックする対応を怠っていたような場合には、会社自らが隠蔽工作を行ったとして、重加算税を課することとなります。会社のガバナンスが機能していないときには、その責任を会社が負うことは已むを得ません。

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