横領すると税金的にどうなるの

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

脱税は事業規模が大きくなるほど、やりにくい傾向にあります。世間では何千億円も儲けているのに、あの大企業がなぜ、税金を支払わないのか、ということに目くじらを立てることもありますが、合法的に節税しているので、追求できません。たまに国税との見解の相違で修正申告して解決できている例もあります。その逆に大企業は、その後で修正申告に必要が生じる、横領が少なくありません。

ちなみに大企業は、利害関係者が多いため、利益を前年同水準並みにしたい動機があります。利益急増を好まないのです。売上や利益を前年度比で見られますから、利益が急増すると色々と大変だからです。そのため、大企業で良く行われるのは、利益平準化のための利益調整と言われています。単純な方法では、利益を別の期に移すことですが、国税はこのような不正に注目して、期間損益を追徴しています。

さて、話を戻しまして、横領していた場合の税務上の取り扱いについて考えてみましょうか。横領というくらいですから、社内の誰かがやったこととなります。この時厄介なのは、損害額は損金になりますが、同額が損害賠償額として益金になるのです。

例えば架空請求書を作成して、架空先に振り込んでいたお金を横領したとしましょう。架空経費は損金にはなりません。しかし、それが損害額となりますから、プラスマイナスでゼロになります。当然ここで不正を働いていた人は懲戒解雇になるでしょう。そうして、仮に和解したとして、その人が横領した金額が一種の長期貸付金となり、長期未収金を何年もかかって返済してもらうことになります。

過去に計上した経費は架空経費ですから、まず税務上否認となり、課税所得が増加、さらに課税仕入として処理していた場合には仮払消費税額が減少します。横領された金が全額返ってくること自体が奇跡でしょうし、損害賠償請求権が存続しますから、損失を税務上実現するには長い時間がかかります。

横領を役員がやっていたということになると役員賞与になります。役員賞与は定期同額ではないために、企業にとっては損金になりません。源泉所得税も法人がかぶることになります。そのため、かなりの追加納税となります。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

税理士がいない!税務調査立ち会い代行します

税務調査プロでは、

個人事業主、フリーランスの方など税理士がいない方への

税務調査立ち会い代行サービスを行っております。

お電話でのお問い合わせ:050-3627-7700 まで。


ご相談・お問い合わせはこちら

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*