情報販売は、自分の持つ情報やノウハウを記録メディア、デジタルコンテンツにして販売するビジネスです。例えば、一度きりの情報商材の販売、継続的なデジタルコンテンツの販売、月額会員制のオンラインサロン等があります。このような事業の税務処理の問題点について見ていきましょう。
1.所得区分の区別の仕方
事業として行えば事業所得、会社員などの副業レベルであれば雑所得として処理することになります。事業所得はその他の所得と損益通算できますが、雑所得であれば他の所得と損益通算ができませんので、この違いは意外と大きいと思います。
2.売上の注意点
ASPやプラットフォーム経由であれば、それらの管理画面から、自社サイトで販売している場合も決済サービスから売上の集計を行うことができます。期をまたぐ場合には、売上は発生主義になりますから注意が必要です。特にサブスクリプションモデルで年間の売上を最初に一括で支払ってもらい場合にも、決算期以前のものと、翌期のものとに分けて計上しなければなりません。仮にお客様の都合で解約による返金に応じられないという場合に、お客様が解約して場合にも、料金を戴いた時点や解約時に残り全額を売上計上することはできません。
3.経費の種類
事業に関係のあるものしか経費としては認められません。情報販売事業において経費として認められるのは以下のようなものです。
費用 | 内容 |
パソコン代 | 情報販売を行うためには、デジタルコンテンツ等の商品を作成する必要がありますので、作成・加工のできるパソコンは必要です。 |
通信費 | プロバイダ料金、通信費等。 |
サーバー・ドメイン代 | 自社のWebサイトを持つ場合でも自社でサーバーを持つのは難しいため、レンタルサーバーを活用すると思われます。月額の利用料を計上しましょう。また、ドメイン代もかかります。 |
システム手数料 | ASPなどを活用して情報を販売する場合には、システム手数料がかかります。 |
消耗品費 | 動画撮影の機材、動画編集ソフトや画像編集ソフトにもお金がかかります。 |
決済代行手数料 | 情報販売の場合、クレジットカード決済がメインになるでしょうから、決済代行業者へ支払う手数料がかかるものと思われます。 |
広告宣伝費 | 自社サイトに集客をする場合、広告宣伝費がかかると思われます。 |
研修代 | 情報のアンテナは常にはっておかなければなりませんから、研修を受けて情報収集を行うこともあるでしょう。 |
書籍代 | インターネットからでは正確な情報を得るのが難しいですから、書籍から得なければならないことも少なくありません。 |
交際費 | 実際に人と顔を合わせる時に、会食費として使うことがあります。金額が安ければ会議費となるでしょう。 |
荷造運賃 | 情報商材を記録媒体、あるいは紙媒体にして購入者に送付する場合にかかります。 |
外注費 | 自社のWebサイトの構築も外注したりすればお金がかかります。 |
家賃 | 自宅で作業しても、事業分は経費になります。 |
電気代 | 自宅で作業する場合、事業分の電気代は経費になります。 |