ロケーション・セービングの課税問題について

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製造業等がコスト削減のために、低コスト国へ進出する場合、その結果得られるコスト削減効果を「ロケーション・セービング」と呼びます。このとき移転価格税制上も、これによって得られた利益が日本本社と海外子会社のどちらに帰属するかが重要な論点となります。

1.ロケーション・セービング

海外進出は大企業だけではなく、中小企業でも多くなっています。日本国内では高コストとなっている製造拠点を、人件費や地代、原材料等が安い海外に移転させ、企業グループ自体の収益力を増加させる試みです。高コストの地域から低コストの地域へ移転させて得られる利益が「ロケーション・セービング」です。

2.ロケーション・セービングと移転価格

ロケーション・セービングは、移転価格税制において重要な論点となっております。企業グループ全体か獲得したロケーション・セービングが本社および進出先の子会社のどちらの帰属するかについて、両者を管轄する税務当局間で綱引きが起こります。どちらが税金を取れるかという話になりますから、お互いに真剣です。

当然、日本では、ロケーション・セービングは日本本社に帰属すると主張し、海外子会社を管轄する税務当局は、すべて海外子会社に帰属すると主張したいわけです。これは本社機能と子会社の製造機能をどのように評価するかなのですが、明確な方法はありません。

たいてい、海外進出によって製造庫裾が下がれば、顧客が販売価格の引き下げを要求してきますから、実際に企業グループの利益は削減し、ロケーション・セービングも縮小し、その恩恵は消費者が享受するということになっているようです。

製品価格の下落にタイムラグがあったり、製品の価格競争力があり販売価格が下がらない場合には、ロケーション・セービングの帰属が大きな論点になってくると思われます。

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