海外を使うとバレないから、という話も聞きますが、バレにくいのであって、バレないということではありません。もう一つ重要なことは、日本人である以上、全世界所得課税になりますから、海外で儲けても、日本で申告をしなくていいということではないのです。現地で申告して税金払っているのに、また日本でもかい。という真面目な方がいらっしゃいますが、現地で払った場合、二重課税を防止するために外国税額控除で、完全にというわけではありませんが、外国で支払った税金を控除する制度がありますのでご安心ください。
海外を使えば税金払わなくていいんだろ、という相談に来る方もいらっしゃいますが、そんなことはありません。日本人である以上、きちんと申告しましょう。
さて、日本人が日本に居住して、海外で稼ぐ場合には、投資というものが行われます。その場合に、総合課税、申告分離の違いはありますが、日本での申告が必要になります。申告分離課税のケースにならない場合には、累進課税の最高税率が55%(うち10%は住民税)になることを念頭に置くべきです。それで海外で投資することにメリットがあるかを考えなければいけません。日本の投資信託であれば、申告分離課税で20.315%という場合もあるからです。同額のリターンやほんの少し、海外投資の方が高いだけであれば、日本国内のスキームを使った投資の方が、メリットがあります。つまり、金融商品購入時に、申告分離課税に該当するかどうかを選択するのです。
さて、どうも海外の投資であれば申告しなくていいんじゃないか、と思って申告されない方、そもそも隠そうと思って申告を考えない方もいらっしゃるように思えます。真面目に申告しようという方は、まず税理士に相談に来ますが、なんだ無税にならないのか、ということで、相談にきてそのまま、その後どのように処理されたのか(別の税理士に依頼して真面目に申告していると思いますけれども)、わからない方もいらっしゃいます。
確かに国際税務では、国税の方も、情報を収集するのが困難ですから、どうしても追及するのが難しいということはあるようです。
後、思いのほか、日本国内の投資に慣れていらっしゃる方は、配当にしても、利子にしても、日本の金融機関、証券会社が源泉徴収をしますから、海外の金融機関や証券会社も当然、源泉徴収をしているのだろうと勘違いされている人も少なくありません。そのような場合の申告漏れというのもあるようですので、ご注意ください。