決算対策としての子会社整理損

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グループ内の事業環境や業績等を勘案した結果、まだ債務超過になる前ではあるものの、子会社に対しての貸付金を債権放棄し、子会社整理損を計上しました。

1.ポイント
親子会社と言っても、それぞれ別個の法人なので、子会社整理損が認められるためには、子会社の整理にやむをえず、その損失負担等をするに相当の理由があると認められる必要があります。

子会社が経営危機に瀕して解散等をした場合でも、親会社としてはその出資額が回収できないにとどまり、それ以上に新たな損失負担をする必要がないという考え方があります。子会社の整理にあたり、実質債務超過ではなく、子会社の整理により今後蒙ると思われる、大きな損失を回避することができると判断できなければ、子会社整理損として処理することはできないことになります。

2.解説
子会社を整理する場合の損失負担等については、法人がその子会社等の解散、経営権の譲渡に伴って、当該子会社等のために債務の引受けその他の損失負担又は債権放棄等をした場合において、その損失負担等をしなければ今後より大きな損失を蒙ることになることが社会通念上明らかに認められるかどうかの検討が必要となります。経済合理性については以下のように考えましょう。

(a) 損失負担等を受ける者は「子会社等」に該当するか。
(b) 子会社等は経営危機に陥っているか(倒産の危機にあるか)。
(c) 損失負担等を行うことは相当か(支援者にとって相当な理由はあるか)。
(d) 損失負担等の額(支援額)は合理的であるか(過剰支援になっていないか)。
(e) 整理・再建管理はなされているか(その後の子会社等の立ち直り状況に応じて支援額を見直すこととされているか)。
(f) 損失負担等をする支援者の範囲は相当であるか(特定の債権者等が意図的に加わっていないなどの恣意性がないか)。
(g) 損失負担等の額は合理的であるか(特定の債権者だけが不当に負担を重くし又は免れていないか)。

そのため、損失負担(支援)額が合理的に算定されているか、支援がなければ整理できないかを検討してみる必要があります。そこで以下の二つですが、
(a) 損失負担額が、子会社を整理するため又は経営危機を回避し再建するための必要最低限の金額であるか。
(b) 子会社等の財務内容、営業状況の見通し等及び自助努力を加味したものとなっているか。

これらを検討した結果、子会社が経営危機に陥っていたか、損失負担等の合理性の判断についての根拠についての検討が不足していれば、寄附金となる可能性が高いと言えます。

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