海外駐在員が日本本社のストックオプションを行使した場合の課税

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

税制適格のストックオプションを付与された海外駐在員が海外赴任中にストックオプションを行使した場合、どのような課税関係が生じるでしょうか。

1.ストックオプションの税務上の取り扱い

(a)税制非適格ストックオプション

ストックオプションは、その権利の付与及び確定のタイミングでは、付与者に対して課税は生じません。課税が生じるのは税制非適格ストックオプションの場合、権利行使時であって、行使価額と行使時の時価との差額に係る経済的利益について課税されます。また、株式の売却時に、売却価額と権利行使時の時価との差額につき譲渡所得課税がなされます。

(b)税制適格ストックオプション

一定の条件を満たす税制適格ストックオプションについては、権利行使時の課税を行わず、株式の譲渡時まで譲渡所得課税を繰り延べることができます。

2.非居住者に係る税制適格ストックオプションの取り扱い

権利行使時においては、その者が居住者であるか非居住者であるかに関わらず、課税されません。

非居住者が税制適格ストックオプションの権利行使によって得た日本本社株式を売却した場合、日本においてその譲渡益につき課税されます。即ち、税制適格ストックオプションを権利行使して得た日本本社の株式を海外駐在員(日本の非居住者)が売却した場合、譲渡価額と権利行使価額との差額について我が国で譲渡所得として課税されます。

3.租税条約の適用

租税条約が適用されると少し事情が変わります。上記海外駐在員の勤務先がアメリカであれば、日米租税条約によりますと、株式の譲渡所得に関して、事業譲渡類似の株式の譲渡益や、破綻金融機関の株式の譲渡益又は不動産化体株式の譲渡益でない限り、居住地国課税となり、源泉地国である日本においては免税となります(日米租税条約13⑦)。

但し、上記海外駐在員であるアメリカにおいては、この株式譲渡益はアメリカ国内法により課税されます。しかし日本とアメリカで二重課税は生じません。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

税理士がいない!税務調査立ち会い代行します

税務調査プロでは、

個人事業主、フリーランスの方など税理士がいない方への

税務調査立ち会い代行サービスを行っております。

お電話でのお問い合わせ:050-3627-7700 まで。


ご相談・お問い合わせはこちら

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*