期末に取得している場合には、実際に期中に引渡が完了しているか、そして事業のために使っているかを検討する必要があります。そうでない場合にはどのようなペナルティがあるでしょうか。
1.医療用機器の特別償却制度
機器をいくら期中に引き渡しを受けても、事業のために使っていなければ、減価償却もできませんから、あまり期末ギリギリで資産を購入しようという動機は小さいのですが、医療用機器の場合は異なります。普通の機械で普通償却であれば取得事業年度における償却限度額が月数換算されますが、医療用機器の特別償却額は、一律取得価額の12%となります。つまり期末近くで取得しても、12%満額が損金の額に算入されます。医療法人側は決算期末に間に合わせてくれ、といっても業者が納入を翌期初目にしてしまったら、その事実で税法を当てはめざるを得ません。そこで納品書を改ざんして、納入日付を変更してしまったら、隠蔽工作になります。
取得代金決済日と、医療機器メーカーの反面調査、当該装置を備え付けるための床工事や配線工事も行っており、それら業者がいつ工事をしたかなどでバレてしまいます。
2.税務上の対応
当期末までに医療用機器を納品せず、事業のために用いていない場合、当該装置に係る減価償却費は当期の所得金額の計算上、損金の額には算入されません。そして納品書の方品日付の改ざんは隠蔽又は仮装行為に該当するため、それより過少に計算された税額については重加算税の賦課対象とします。