賃貸不動産を配偶者の所有にした失敗例(遺族年金との関係)

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法人で不動産仲介業を営み、個人で賃貸マンションと貸駐車場も運営しており、相続対策として個人所有の賃貸不動産の一部を妻に贈与しました。

賃貸不動産の生んだ収益で妻に相続税の納税資金をためてもらい、実際に相続が発生したときに備えてもらおうと考えたからですが、不動産所得の額によっては遺族年金を受給できない可能性がありますと言われました。

1.ポイント
遺族年金受給者の収入に関する認定要件を満たすように、不動産所得、給与所得を調整しましょう。給与のみであれば年収を850万円未満に抑え、給与以外にも収入がある場合は所得を655.5万円未満に抑えることがポイントです。

相続発生の前年の収入及び所得の状況で判定されるため、前年の収入及び所得が上記収入要件を超えている場合は、一生遺族年金を受給することができなくなってしまいますので注意が必要です。

2.解説
遺族年金受給者の収入に関する認定要件は下記のようになっています。
(a) 前年の収入(前年の収入が確定しない場合にあっては、前々年の収入)が年額850万円未満であること
(b) 前年の所得(前年の所得が確定しない場合にあっては、前々年の所得)が年額655.5万円未満であること
(c) 一時的な所得があるときは、これを除いた後、前期(a)又は(b)に該当すること
(d) 前記の(a)(b)又は(c)に該当しないが、定年退職等の事情により近い将来(概ね5年以内)収入が年額850万円未満又は所得が年額655.5万円未満となると認められること

また上記収入要件をみたしていても、それぞれ独立した生計である場合は、遺族年金の受給対象から外れます。反対に同一世帯でなくても仕送り等で生計維持されている状態であれば、受給対象となります。オーナー社長であれば配偶者に高額な役員報酬を支払っているケースも多いと思います。

850万円以上報酬を支払っている場合は、将来もらえると予想される遺族年金の額と法人税、所得税の節税効果を考え、減額改定も検討してみる価値はありそうです。

遺族年金受給につきましてはその他にも要件がありますので、専門家である社会保険労務士等に相談をしましょう。

また、通常の厚生年金等とは異なり、遺族年金につきましては所得税・住民税ともに非課税となりますので確定申告の際は注意が必要です。

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