![](https://tax-inquiry.business-relations.co.jp/wp-content/uploads/2020/10/201021-304x194.jpg)
最高裁平成13年7月13日第二小法廷判決
(事件概要)
X:(原告・被控訴人・上告人)組合の組合員
Y:(被告・控訴人・上告人)
当初は組合が責任出役義務性を取っていたが、廃止。Xはその後一般作業員として従事。管理者や労賃も労務費として計上。
Xは給与所得として修正申告、Yは労務費を事業所得として更正処分及び過少申告加算税賦課処分決定処分。Xが出訴。
1.論点
リンゴを生産する組合から組合員が受け取った労賃が事業所得に該当するのか、給与所得に該当するのか。
2.判旨 破棄自判・・・現判決を破棄し、自ら判決すること
民法上の組合の組合員が事業に従事したことで組合から金員の支払いを受けた場合、当該支払いが組合の事業から生じた利益の分配に該当するのか、給与支払いに該当するのか、支払いの原因となった法律関係についての組合及び組合員の意思ないし認識、当該労務の提供や支払いの具体的態様などを考察して客観的、実質的に判断すべきもの。組合員に対する金員の支払だからと言って利益の分配に該当するものではない。
Xら専従者が一般作業員とは異なり、管理者と一般作業員との間に合って管理者を補助する立場にあったことや、責任出役義務性がとられていたことを考慮しても、労務費として支払いを受けた本件収入をもって、労務出資をした組合員に対する組合の利益の分配とするのは困難。本件収入に係る所得は給与所得に該当すると解するのが相当。