消費税率の改正があった場合の請負工事に係る経過措置

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令和元年9月に請負工事契約を締結し、令和元年以前の契約のために請負金額に旧税率8%を加算した金額で契約しました。このたび工事が令和元年12月に完成したので、契約通り旧税率8%の課税売上として経理処理しました。

1.ポイント

消費税率が10%になる改正消費税の施行日は令和元年10月1日です。施行日以後に事業者が行う資産の譲渡等課税仕入れであっても、経過措置が適用されるものについては、旧税率(8%)が適用されます。

2.解説

消費税率の経過措置で、適用になる条件として工事請負契約である必要があります。請負契約とは工事の内容につき相手方の注文が付されているものであり、注文に応じて建築される建物等が該当します。通常の売買契約は、経過措置の適用がありません。

指定日(平成31年4月1日)以降に請負代金が増額になった場合は、増額部分は新税率の適用になります。指定日以前の契約金額は旧税率で指定日以降の増額部分のみが新税率となりますので、増額があった場合は請負金額全額に旧税率を適用することはできません。なお、指定日以前の契約金額から減額になった場合は、旧税率の適用ができます。

経過措置の適用を受ける工事を行った場合、経過措置が適用された工事である旨を注文者に書面で通知する必要があります。記載内容は下記の通りです。

  • 請負契約の内容を記載する
  • 請負金額を記載する
  • 通知書を作成する事業者の氏名・名称・住所・電話番号を記載する
  • 注文者の氏名・名称を記載する

この通知書は請求書に記載することでもよいとされています。

建設工事について、部分完成基準による資産の譲渡等の時期の特例により、工事全部が完成しない場合でも、その期間内に引き渡した一部の建設工事に対応する工事代金は引渡しを行った日の消費税率を適用することになります。部分完成基準の適用例としては、一つの建設工事等であっても、その一部分が完成し、かつその完成した部分を引き渡したその割合に応じて工事代金を収入とする特約又は慣習がある場合等です。

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