不動産販売の消費税の経過措置

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分譲マンションの販売を行う法人ですが、令和2年9月竣工予定の分譲マンションについて、事前にモデルルームを公開し、令和元年8月までに販売契約を締結しました。なお、当該マンションはモデルルームの仕様に限定され、注文者が壁の色又はドアの形状等について特別の注文ができないものとなっております。

指定日の前日までに譲渡契約を締結したため、請負契約と同様の経過措置が適用されると思い、当該分譲マンション販売について、旧税率として経理処理をし、消費税の申告を行ったところ、税務調査で工事の請負等に関する税率等の経過措置の適用は受けられないと指摘されてしまいました。

1.ポイント
工事の請負等に関する税率等の経過措置が適用される契約は、注文者が当該建物の内装若しくは外装等を決めることができる建物に係るものに限られます。よって、顧客の注文に応じることができない分譲マンションの販売について、経過措置は受けられません。従って、分譲マンションのうち、建物に係る部分について新税率10%が適用されます。

2.解説
工事の請負等に関する税率等の経過措置について、事業者が、指定日の前日(令和元年3月31日)までの間に締結した工事の請負に係る契約、製造の請負に係る契約及びこれらに類する一定の契約に基づき、施行日以後に当該契約に係る課税資産の譲渡等を行う場合には、当該課税資産の譲渡等(指定日以後に当該契約に係る対価の額が増額された場合には、当該増額される前の対価の額に相当する部分に限ります。)については、旧税率が適用されます。

上記の契約には、建物の譲渡に係る契約で、当該建物の内装若しくは外装又は設備の設置若しくは構造についての当該建物の譲渡を受ける者の注文に応じて建築される建物に係るものも含むこととされています。この場合の「注文に応じて」とは、譲渡契約に係る建物について、注文者が壁の色又はドアの形状等について特別の注文を付すことができることとなっているものも含みます。従い、建物の購入者の注文を全く付すことができないマンションを譲渡した場合、経過措置は適用されません。

工事の請負等に関する税率等の経過措置により、旧税率が適用されるのは、指定日(令和元年4月1日)の前日までに締結したマンション販売のうち、建物の購入者の注文を付すことを認め、その仕様に基づいて内装等をして建物を譲渡した場合に限ります。よって、仕様の変更ができないマンション販売を行う場合には注意が必要です。

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