配送協力をしてくれる業者は傭車料で問題ないのか?

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運送業で得意先からの仕事がさばききれないため、配送を協力してくれる外部業者に一部業務を委託している場合、対価の支払いは傭車料でよいのでしょうか。

1.調査官の着眼点

形態によっては、傭車料(外注費)ではなく給与課税される可能性もあります。どのような判断基準でなされるのかは次の通りです。元受けの運送業をA社、業務委託先をB氏として考えてみましょう。

  • サービスの代替可能性

B氏がタイムカードで勤怠管理がされており、他の者が役務を提供することは認められていない場合、雇用契約の可能性が高くなります。

  • 指揮監督の有無

A社の配車係の指示に従って配送を行い、勤務場所や時間が指定されている場合、雇用契約の可能性が高くなります。

  • サービス提供の対価の算定

B氏は毎月固定額で対価を受領しており、業務の成果を対価の算定基準としていない場合、雇用契約の可能性が高くなります。

  • 用具の支給

B氏自らがトラックを持ち込んでいればよいのですが、A社がトラックをB氏に貸与している場合、雇用契約の可能性が高くなります。B氏がトラックを自ら持ち込んで、そのトラックに対する使用料をA社が支払い、さらにそのトラックをA社の他の人が使用する可能性があれば、トラックの賃貸借契約があると認められます。

2.税務上の対応

A社の命令でB氏が働いていたり、サービス提供の対価が業務量でなく、給料のように一定していれば、実質的にはA社はB氏に対して給与及びトラックの賃貸借料として支払うべきでしょう。仮に全額を業務委託として傭車料として支払っていれば、給与相当分について、源泉徴収税と消費税の追徴税額が生じることになります。

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