株式を分散させるとトラブルに

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父も財産が乏しいために、会社の株式を兄弟に分けました。長男だけが、会社経営に携わっているのですが、経営に携わっていない他の兄弟である株主にいろいろ言われて、経営がスムーズに進みません。

1.ポイント
経営に関係のない子供に、株式を譲りすぎるのはやめましょう。

2.解説
分散させると以下のような問題が生じます。

(a) 経営の安定化が阻まれること
株式が分散することにより、議決権が分散してしまいますので、後継者の意思決定が阻まれ、経営の安定化を図ることができません。後継者の経営権安定化のためには、少なくとも普通議決権の2分の1超を確保、できれば特別議決権の3分の2以上を確保していく必要があります。

社外株主については特別決議に対して拒否できないよう議決権の3分の1超を保有させないよう配慮して後継者への承継を行いましょう。少数株主でもバカにできません。例えば、1株以上で株主代表訴訟提起権があり、3%以上で帳簿謄写閲覧権があります。

分散した相手に相続が起きれば、さらにその次の世代の相続人に株式が自然承継されていってしまいます。長年放っておけば連絡が取れない株主が出てくることもあり、株式を買い集めようにも収拾がつかなくなるようなケースもよくあります。

(b) 株式の高額買取を要求されること
買い取ることができたとしてもその価額が問題となります。株主によっては、他人になればなるほど会社には関係ありませんので、ドライに考えて高額な価格で買い取りを要求してくるケースもあります。会社の定款上、好ましくない株主に株式が相続される場合、会社が強制的に買い取る旨の規定(「相続人等に対する売り渡し請求」)を設けることもできますが、そもそもこの規定を設けるためには、定款変更にあたるため、株主総会の特別決議が必要です。仮に設けることができたとしても、買取価格の問題は最後まで生じます。他にも株式併合や種類株式を活用した強制買い取りの方法もありますが、どれも買取価格の問題は残ります。時間と手間がかかりますから、自社株は極力分散しないよう承継を進めていく方がよいでしょう。

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