- 強制調査と任意調査
税務調査には強制調査と任意調査があります。このうち、強制捜査は国税の査察部が担当します。以前、今は亡き伊丹十三監督の映画で有名な言葉になりましたが、「マルサ」と言われる部署です。強制捜査は、裁判所の令状に基づいて強制的に行われる調査で、悪質な脱税者に刑罰を科すことを目的に行われます。
これに対して任意調査は令状はありません。納税者の協力が必要です。そのため、巨額で緊急性を持つ脱税でない限り、一般的にはこちらの任意調査が普通に行われる税務調査です。任意調査ではありますが、納税者が調査官の質問に、拒否したり、あるいは虚偽の答弁をすれば、罰則が与えられます。そのため、調査を拒否できるものではなく、受任を拒絶することはできません。
2.国税局による調査と税務署による調査の違い
一般に国税局は税務署よりも厳しい調査を行います。表にまとめると次のようになります。
[国税による調査]
担当部署 | 調査対象 | 特徴 | 事前通知 |
査察部 | 脱税疑惑のある法人等 | 令状のある強制調査 | なし |
調査部 | 資本金1億円以上の法人 | 国際取引や組織再編成等専門的な税務の分野(任意調査) | あり |
課税部(資料調査課) | 不正計算が見込まれる案件や調査に非協力な案件等 | 国税局・税務署の共同調査(任意調査) | なし |
[税務署による調査]
種類 | 調査対象 | 特徴(任意調査) | 事前通知 |
総合調査 | 法人税及びその代表グループ等の所得税や相続税等 | 法人税・所得税・相続税等前提的に行う調査 | あり |
特別調査 | 不正計算が見込まれる案件 | 税務署が特に力を入れて行う厳格な調査 | 基本なし |
一般調査 | 定期的な調査 | 通常の税務調査 | 基本あり |