特許の損害賠償金に対する源泉徴収義務

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日本のメーカーですが、ドイツ現地において、ドイツ企業から特許権を侵害しているとして損帯賠償請求訴訟を提起されました。損害賠償金を支払った際の源泉徴収義務はどのようになりますか。

1.国内法の取り扱い

特許権や著作権等の使用料は国内源泉所得に該当し、その支払者に源泉徴収義務が課されています。ここでいう使用料には、特許権や著作権等の権利の対価として支払われるものだけでなく、当該対価に代わる性質を有する損害賠償金や、和解金、解決金といったものも含まれます(所基通161-6の2)。そのため、源泉徴収の必要があります。

2.租税条約の取り扱い

租税条約の取り扱いにおいても、その12条によると、特許権や著作権等の使用料は、その支払者の居住地国に所得源泉があるという債務者主義であり、その源泉地国において限度税率10%で課税できることが規定されています(日独条約12②⑤)。

本件損害賠償金も使用料の範疇に入ってくる者と思われますので、限度税額10%で課税されることとなります。このとき、租税条約の届出書を提出しておきましょう。

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