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海外に進出すると、様々な法律上のサポートも必要になるため、現地の法律事務所との取引も生じます。とのときの弁護士報酬についての取り扱いはどのようになるでしょうか。
1.人的役務の提供に係る国内法の取り扱い
所得税法上、国内において弁護士等の役務の提供に支払う時には、国内源泉所得に該当し、源泉徴収義務を生じますが、使用地主義を取っているため、海外の法律上のアドバイスに対する報酬は、国内源泉所得に当たらず、源泉徴収を要しないことになります。
2.人的役務の提供に係る租税条約の取り扱い
但し、租税条約に異なる定めがあるときには、租税条約の規定を確認しなければなりません。
- インド
日印租税条約の第14条によれば、自由職業者の役務の提供に関する規定があり、さらに12条において技術上の役務に対する料金の規程があり、これに該当すれば支払者の居住地国において生じたものとされます(債務者主義、日印条約12⑥)。これによると、「技術上の役務に対する料金」とは、技術者その他の人員によって提供される役務を含む経営的もしくは技術的性質の役務又はコンサルタントの役務の対価としての全ての支払金を言います。
ここでいうコンサルタントの役務とは、広く専門的知識に基づく相談やアドバイス業務を指していると考ええられ、弁護士の法的アドバイスも該当すると思われます。
従いまして、インドの法律事務所に対する支払いは源泉徴収を行わなければなりません。
- ミャンマー
日本とミャンマーには租税条約が締結されていないため、国内法により課税関係が決まります。従いまして、当該支払に対して日本では源泉徴収は必要とされません。