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海外の美術館から絵画を借り受けて、賃借料を支払う場合、源泉徴収はどうなるのでしょうか。海外の美術館(ここではイタリアとしておきます)は日本国内に恒久的な施設を持っておりません。
1.国内法の取り扱い
国内において業務を行うものが、絵画の著作権等の使用料でその業務に係るものとして非居住者又は外国法人に支払う場合には、所得税法上、当該使用料は国内源泉所得に該当します(所法161七ロハ、所令284①)。
しかし、著作権は著作権法上の保護期間(原則として著作者の死後50年、著作権法51②)内にあれば、著作者又は著作権者に対する利用許諾の対価となりますが、著作権法上の保護期間を経過している場合には、この賃借料は著作権の資料量とはならず、備品の所有権に基づく使用料という扱いになります。但し、この備品の所有権に基づく使用料は、国内源泉所得に該当するため、源泉徴収する必要があります。
2.租税条約の取り扱い
日伊租税条約によれば、著作物の著作権の使用又は使用の権利の対価及び産業上、商業上又は学術上の設備の使用の対価が使用料と定義され、当該使用料はその源泉地において限度税率10%で課税されます。