非居住者であるイスラエル企業に支払う技術支援料に関する源泉税の取り扱い

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イスラエルの企業から技術支援を受け、支援料を支払うことになりました。イスラエル企業から給料が支払われ、日本国内における勤務に当たるので、源泉徴収する必要はあるのでしょうか。ちなみにイスラエルの企業は、日本において支店等の恒久的施設を持っておりません。

1.人的役務提供に関する国内法の取り扱い

イスラエル企業が技術者を日本企業に派遣し、その対価として技術支援料を受け取った場合、人的役務提供事業の対価にあたり、源泉徴収の対象となります。

また、イスラエル企業が当該技術支援に関して日本に派遣した技術員に日本滞在中の技術支援に対して支払う給与も国内源泉所得である人的役務提供の対価となりますが、非居住者に対する源泉徴収義務は、国内において支払する者に生じますので、海外において支払いをする場合には源泉徴収義務は生じません(所法212①)。

2.イスラエルとの租税条約の適用

日イスラエル租税条約第7条第1項によると、一方の締約国の企業の利得に対しては、その企業が他方の締約国内にある恒久的施設を通じて、当該他方の締約国内において事業を行わない限り、当該一方の締約国内においてのみ租税を課することができないとしてますから、本件のようにイスラエル企業による人的役務提供事業が日本国内で行われた場合で、イスラエル企業が日本国内に恒久的施設を有さないことを前提とすれば、日本において課税されません。

但し、源泉税免除の適用を受けるためには、所得の支払者かつ源泉徴収義務者である日本の企業を通じて、所轄税務署長に租税条約に関する届出書(人的役務提供事業の対価に対する所得税及び復興特別所得税の免除)を提出しなければなりません。

日イスラエル租税条約第15条第2項に因れば、一方の締約国の居住者が他方の締約国内において行う勤務について取得する報酬に対しては医家に該当することを条件として、当該一方の締約国においてのみ租税を課することができるとしています(短期滞在者免税)。

  • 報酬の受領者が当該年を通じて合計183日を超えない期間当該他方の締約国内に滞在すること
  • 報酬が当該他方の締約国の居住者でない雇用者又はこれに代わる者から支払われるものであること
  • 報酬が雇用者の当該他方の締約国内に有する恒久的施設又は固定的施設によって負担されるものでないこと
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