外国法人に対する使用料と源泉地~シルバー精工事件~

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最高裁平成16年6月24日第三小法廷判決

(事件概要)

X:(原告・被控訴人・被上告人)シルバー精工

Y:(被告・控訴人・上告人) 税務署長

A:Xの商品を外国で販売

B:X等に対してアメリカの特許権を侵害していると訴えた企業

XはBと和解し、源泉徴収税額を控除することなく、紛争解決対価を支払った。Yは本件金員は所得税法161条7号イ所定の国内源泉所得に該当するとして、Xに対し納税の告知及び不納付加算税賦課決定。Xは取り消しを求めた。

1.論点

使用料たる金額はアメリカ特許権のみの対価か、使用地はどこか。

2.判旨 上告棄却

本件契約の目的は、XがB社との間のアメリカ特許権に関する紛争を解決し、アメリカに本件装置を輸出できるようにすることにある。アメリカ国内で販売される装置に対するアメリカの実施料として支払われたものと解する。Xの日本国内における業務に関して支払われたものとは言えない。従い、所得税法161条7号イ所定の国内源泉所得に当たる使用料ではない。

3.解説

当該業務に係るものを通説同様に使用地主義と解していると思われる。なお、現行日米租税条約では一律源泉地国免税規定を入れており、本判決の先例としての意義が生かされる場面は実務上減少している。

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